投資信託を調べていると、「基準価額8,000円」「基準価額20,000円」といった数字が表示されています。
数字だけを見ると、8,000円の投資信託のほうが安く、値上がり余地も大きいように感じるかもしれません。しかし、基準価額が低いから割安、高いから割高とは判断できません。
基準価額とは、投資信託の純資産総額を総口数で割って求める、1口当たりの純資産価値です。国内の一般的な投資信託では1万口当たりで表示されることが多く、金額の高低だけで割安・割高は判断できません。個別株の株価とは見方が異なります。
この記事では、基準価額の意味、計算方法、変動する理由、注文時に価格が分からない仕組みを初心者向けに解説します。最後に、投資信託を選ぶときに基準価額より優先して確認したい項目も整理します。
※本記事は投資信託の一般的な仕組みを説明するもので、特定の商品や売買を推奨するものではありません。
30秒で分かる結論
- 基準価額は、投資信託の1口当たりの純資産価値を表す数字
- 国内の一般的な投資信託では、1万口当たりで表示されることが多い
- 株式・債券・為替・分配金・費用などの影響で原則毎営業日変動する
- 注文時点では、実際に適用される基準価額がまだ分からない場合が多い
- 基準価額8,000円の商品が、20,000円の商品より割安とは限らない
- 比較するときは、投資対象、費用、運用実績、分配方針、純資産総額などを見る
| 初心者が抱きやすい疑問 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 基準価額が低い商品は買い時? | 低いという理由だけでは買い時と判断できない |
| 基準価額が高い商品は割高? | 運用期間中に資産が成長した結果の場合もある |
| 同じ指数なら基準価額も同じ? | 設定日、分配実績、費用などによって異なる |
| 注文画面の基準価額で買える? | 申込後に算出される価額が適用される場合が多い |
| 何を比較すればよい? | 投資対象、費用、騰落率、分配方針、純資産総額など |
基準価額についてよくある勘違い
「基準価額が低い投資信託ほどお買い得」
基準価額はファンドの1口当たりの純資産価値です。低いという理由だけで、値上がり余地が大きい、割安であるとは判断できません。
「分配金をもらえば、その分だけ得」
分配金はファンドの信託財産から支払われ、支払い後は原則として基準価額がその分下がります。受取額だけでなく、基準価額の変化と費用も合わせて確認します。
「基準価額が下がったら必ず損」
実際の損益は、自分が購入したときの基準価額、保有口数、受け取った分配金、再投資、費用などで変わります。基準価額の上下だけでは判断できません。
投資信託の基準価額とは?
基準価額は投資信託の1口当たりの純資産価値
基準価額とは、投資信託が保有する資産から負債や費用を差し引いた純資産総額を、投資家が保有する総口数で割った価額です。
簡単にいえば、「投資信託の資産を口数で分けたとき、1口分はいくらか」を表しています。
一般には投資信託の「値段」と説明されますが、個別株の株価とは決まり方が異なります。株価は市場の売買でリアルタイムに変動しますが、一般的な投資信託の基準価額は、組み入れた資産を時価評価して原則1日1回算出されます。
決まり方を一言でいうと、ファンドの純資産総額を受益権口数で割って求めます。主な変動要因は、組み入れた株式・債券の価格変化、為替変動、分配金の支払い、ファンド内の費用などです。
投資信託の基準価額はどう決まる?3ステップで整理
- 保有資産を時価評価する:株式・債券など、ファンドが保有する資産をその日の価格で評価します。
- 費用や負債を差し引いて純資産総額を求める:保有資産の合計から運用に伴う費用や負債などを差し引きます。
- 純資産総額を受益権口数で割る:一般的には1万口当たりの金額として基準価額が表示されます。
基準価額 = 純資産総額 ÷ 総口数という考え方が基本です。実際の表示は1万口当たりに換算されることが多く、株式のように買い注文と売り注文の需給だけで値段が決まるわけではありません。
そのため「基準価額が高いから割高」「低いから割安」とは判断できません。設定時期、分配金、組み入れ資産の値動きなどによって水準は変わるため、基準価額だけではなくトータルリターンや純資産総額もあわせて確認します。
投資信託そのものの仕組みは、Market AIの投資信託の用語解説でも確認できます。
なぜ「1万口当たり」で表示されるのか
国内の追加型投資信託では、運用開始時に1口1円、1万口で1万円として設定される商品が多くあります。そのため、基準価額も「1万口当たり○円」と表示されるのが一般的です。
資産運用業協会は、1口当たりの価額に1万を掛けて、1万口当たりの基準価額を計算する仕組みを説明しています。資産運用業協会の投資信託基礎資料でも計算方法を確認できます。
ただし、すべての商品が同じ表示単位とは限りません。1口当たり、100口当たりなど、異なる単位を採用する商品もあり得ます。比較するときは、運用会社のファンド情報や交付目論見書で表示単位を確認してください。
「基準価額」と「基準価格」は違う?
投資信託の公式資料で基本的に使われる用語は「基準価額」です。「価額」は、資産を評価して算出した金額という意味で使われています。
一方、検索では「投資信託 基準価格」と入力されることも多く、一部の一般向け資料では「基準価格」という表現が使われる場合もあります。
多くの場合、検索者が知りたい内容は同じです。ただし、交付目論見書、運用報告書、運用会社の公式ページで情報を探すときは「基準価額」で検索したほうが見つけやすいでしょう。
本記事でも、以降は正式な表記として「基準価額」を使用します。
基準価額の計算式と具体例
純資産総額を総口数で割って計算する
基準価額の基本的な計算式は次のとおりです。
1口当たりの価額
= 投資信託の純資産総額 ÷ 総口数
1万口当たりの基準価額
= 1口当たりの価額 × 10,000
純資産総額には、主に次の要素が反映されます。
- 保有している株式や債券などの時価
- 株式から受け取った配当金
- 債券から受け取った利子
- 現金などの資産
- 為替換算による変動
- 信託報酬などの費用
- 未払い金などの負債
たとえば、ある投資信託の純資産総額が100億円で、総口数が100億口なら、1口当たりの価額は1円です。1万口当たりでは1万円になります。
100億円 ÷ 100億口 × 10,000
= 10,000円
基準価額の短い定義を確認したい場合は、基準価額の用語集ページも参照できます。
追加購入や解約だけでは原則として有利・不利は生まれない
投資家が新たに投資信託を購入すると、ファンドへ資金が入り、純資産総額と総口数の両方が増えます。
反対に投資家が解約すると、純資産総額と総口数の両方が減ります。売却・解約時の価格の考え方は、投資信託の解約価額で詳しく解説しています。
そのため、資金が入っただけで既存投資家の1口当たりの価値が大きく上がったり、解約があっただけで一律に下がったりする仕組みではありません。実際の基準価額には、資産の売買費用や市場変動なども影響するため、完全に無関係とはいえませんが、単純な資金流入額だけで価額が決まるわけではありません。
基準価額が変動する理由|主な5つの変動要因
株式やREITなどの価格変動
株式を組み入れている投資信託では、保有株式の価格が上がれば純資産総額が増え、基準価額を押し上げる要因になります。株価が下がれば、反対に基準価額を押し下げる要因になります。
REITやコモディティなどへ投資する商品も、それぞれの投資対象の値動きによる影響を受けます。
債券価格と金利
債券型の投資信託も、基準価額が一定とは限りません。
一般に、市場金利が上昇すると既存債券の価格は下がりやすく、市場金利が低下すると既存債券の価格は上がりやすくなります。債券の残存期間や信用力によって影響の大きさは異なります。
為替変動
海外の株式や債券を保有する投資信託では、現地通貨での資産価値を円へ換算します。そのため、投資対象の価格が変わらなくても為替相場によって基準価額が動くことがあります。
たとえば、米ドル建て資産を保有している為替ヘッジなしの投資信託では、一般に円安・ドル高は円換算額を増やす要因、円高・ドル安は減らす要因になります。
ただし、為替ヘッジの有無や方法によって影響は異なります。
分配金
投資信託の分配金は、ファンドの信託財産から支払われます。
そのため、分配金を支払うと、その分だけ純資産総額が減り、基準価額も下がります。これは仕組み上の「分配落ち」であり、分配日の基準価額が下がったからといって、それだけで運用に失敗したとは判断できません。
たとえば、分配前の基準価額が10,500円で、1万口当たり500円の分配金を支払った場合、ほかの条件が変わらなければ分配後の基準価額はおおむね10,000円になります。
分配前 10,500円
- 分配金 500円
= 分配後 10,000円
資産運用業協会も、分配金の支払いにより純資産総額と基準価額が下落すると説明しています。基準価額と分配金の公式解説で確認できます。
個別元本を上回る部分から支払われる「普通分配金」と、個別元本の一部払い戻しに当たる「元本払戻金(特別分配金)」では性質が異なります。後者は運用で新たに増えた利益とは限りません。どちらに該当するかは投資家ごとに異なるため、取引報告書などで確認しましょう。
信託報酬などの費用
投資信託の運用・管理には費用がかかります。
代表的な費用が信託報酬です。信託報酬は保有期間中に信託財産から継続的に差し引かれるため、基準価額を押し下げる要因になります。
監査費用、売買委託手数料、海外資産の保管費用などがかかる商品もあります。購入時手数料のように投資家が購入時に別途負担する費用と、信託財産から差し引かれて基準価額へ反映される費用は区別して確認しましょう。
注文時に基準価額が分からないのはなぜ?
一般的な投資信託では、注文を申し込んだ時点で、実際に適用される基準価額がまだ確定していないことがあります。
これを「ブラインド方式」といいます。
基準価額は、申込締切後に株式や債券などの評価額を集計して算出されます。投資家は当日の基準価額を知らない状態で購入・換金を申し込みます。
- 投資家が購入または換金を申し込む
- 申込締切後、その商品のルールに沿って基準価額が算出される
- 確定した基準価額で取引が約定する
申込日と約定日が同じとは限らず、申込時に画面へ表示されている基準価額で取引できるとは限りません。
もし確定した基準価額を見てから同じ価額で注文できると、すでに保有している投資家との公平性が損なわれる可能性があります。そのため、一般的な投資信託ではブラインド方式が採用されています。資産運用業協会の公式解説でも、その目的が説明されています。
申込日と約定日、国内資産型と海外資産型では、適用される基準価額のタイミングが異なる場合があります。締切時刻も販売会社や商品によって異なるため、実際の取引前には交付目論見書や販売会社の案内を確認してください。
ETFは取引所で市場価格を見ながら売買するため、一般的な投資信託とは価格の決まり方が異なります。詳しくはETFと投資信託の違いで整理しています。
基準価額が高い・安いの見方|金額だけでは割高・割安を判断できない
基準価額が安い投資信託は割安なの?
結論からいえば、基準価額が低いという理由だけで、その投資信託が割安とは判断できません。
個別株では、利益や純資産に対して株価が高いか低いかをPERやPBRなどで分析することがあります。しかし、投資信託の基準価額は、ファンド全体の資産を口数で分けた数字です。
基準価額の絶対額だけを、異なる投資信託間で比較しても、投資対象が割安かどうかは分かりません。
金融庁も、基準価額が1万口当たりで表示されることに加え、投資信託が割安か割高かは、その投資信託を通じて保有する投資対象を見なければ判断できないと説明しています。金融庁の初心者向け解説も参考になります。
8,000円と20,000円を比較する具体例
以下は仕組みを説明するための架空例です。手数料や税金は考慮していません。
- 投資信託A:基準価額8,000円
- 投資信託B:基準価額20,000円
- それぞれへ80,000円投資
- その後、両方の基準価額が5%上昇
Aでは、80,000円で10万口を保有できます。
80,000円 ÷ 8,000円 × 10,000口
= 100,000口
Bでは、80,000円で4万口を保有できます。
80,000円 ÷ 20,000円 × 10,000口
= 40,000口
Aの基準価額が5%上昇すると8,400円です。
8,400円 × 100,000口 ÷ 10,000
= 84,000円
Bの基準価額が5%上昇すると21,000円です。
21,000円 × 40,000口 ÷ 10,000
= 84,000円
どちらも評価額は84,000円です。
基準価額が低いAは多くの口数を購入できますが、1口当たりの価値が小さいだけです。同じ金額を投資し、同じ割合だけ上昇すれば、損益額も同じになります。
重要なのは基準価額の金額ではなく、投資後に何%変動するかです。
基準価額が低くなる主な理由
- 組み入れた資産が値下がりした
- 過去に分配金を多く支払った
- 運用開始時期が異なる
- 費用が継続的に差し引かれた
- 為替が不利な方向へ動いた
- 表示する口数の単位が異なる
基準価額が低い理由を確認せず、「安いから上がりやすい」と考えるのは避けたいところです。
基準価額が高い投資信託は割高なの?
基準価額が高いからといって、直ちに割高ともいえません。
運用開始後、組み入れた資産が長期間成長し、分配金をあまり出さずに利益をファンド内へ残してきた結果、基準価額が高くなっている可能性があります。
反対に、基準価額が高くても、今後の値下がりリスクが小さいとは限りません。投資対象の株式や債券が下落すれば、基準価額も下がる可能性があります。
「高いから買わない」「低いから買う」ではなく、何に投資し、どのようなリスクを負っているかを確認する必要があります。
基準価額が下がったら損なの?
基準価額が下がったという事実だけで、すべての投資家が損をしているとは言えません。投資家ごとに購入した基準価額と保有口数が異なり、分配金の受取や再投資の状況も異なるためです。
一方で、現在の基準価額が自分の購入時より低く、受け取った分配金を加味しても値下がり分を補えない場合は、費用を考慮する前でも評価損益がマイナスになる可能性があります。元本割れリスクを軽く見てよいわけではありません。
自分の成果を確認するときは、「現在の評価額+これまでに受け取った分配金−投資額−費用」といった全体像を見ます。販売会社の口座画面にトータルリターンが表示される場合は、その算定条件も確認して利用しましょう。
同じ指数でも基準価額が違う理由
同じ指数への連動を目指すインデックスファンドでも、基準価額が同じになるとは限りません。
- 運用を開始した日が異なる
- 設定時の基準価額や表示単位が異なる
- 過去の分配金が異なる
- 信託報酬やその他の費用が異なる
- 指数への連動方法が異なる
- 組入比率や現金保有比率が異なる
- 為替ヘッジの有無が異なる
- 指数との連動誤差が異なる
同じ指数に連動していても、運用開始日が違えば、そこから積み重なった運用成果も異なります。
比較するときは基準価額の絶対額ではなく、同じ期間の騰落率、分配金再投資後のリターン、信託報酬、指数との連動状況などを見るほうが適切です。
基準価額だけで投資信託を選んではいけない理由
基準価額は、保有中の投資信託がどのように動いたかを確認する重要な数字です。
一方、異なる投資信託の優劣を、基準価額の金額だけで比べることはできません。
- どの国や資産へ投資しているか
- どの程度のリスクがあるか
- 信託報酬はいくらか
- 分配金をどの程度支払ってきたか
- 指数へ正確に連動しているか
- ファンドの資産規模が安定しているか
- 過去のリターンが分配金込みでどうだったか
- 過去の実績だけで将来の成果を判断していないか
基準価額は「現在の1口当たりの純資産価値」を知る数字であり、商品全体を評価する万能な点数ではありません。
初心者が投資信託を比較するときの確認項目
1. 投資対象
最初に、国内株式、米国株式、全世界株式、債券、REIT、バランス型など、何へ投資する商品なのか確認します。投資対象が違えば、期待される値動きやリスクも異なります。
2. 運用方針
指数への連動を目指すインデックス型か、指数を上回る成果を目指すアクティブ型かを確認します。同じカテゴリーに見えても、運用方針によって組入銘柄や値動きは変わります。
3. 保有中の費用
長期保有では、信託報酬などの継続費用が運用結果へ影響します。同じ指数に連動する商品を比較するなら、信託報酬だけでなく、運用報告書に記載される総経費率や実際の連動状況も確認したいところです。
4. 分配方針
分配金が多い商品ほど運用成績が良いとは限りません。分配金を支払うと基準価額は下がります。資産形成を目的にする場合は、分配頻度だけでなく、分配後も含めたトータルリターンを確認しましょう。
5. 運用実績
異なる投資信託を比較するときは、できるだけ同じ期間の騰落率を使います。分配金を支払う商品では、基準価額だけでなく「分配金再投資基準価額」や「分配金再投資後の騰落率」も確認します。ただし、過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。
6. 純資産総額
純資産総額は、ファンド全体の資産規模です。基準価額が1口当たりの価値を表すのに対し、純資産総額はファンド全体の大きさを表します。
純資産総額が小さいだけで問題があるとは限りませんが、資金流出が続いている商品や、繰上償還の可能性がある商品では注意が必要です。目論見書の償還条件も確認しましょう。
7. NISA対象か
NISAを利用する場合は、その商品が利用予定の投資枠の対象か確認します。NISAの対象であっても、元本保証になるわけではありません。投資対象、費用、リスクを確認する必要がある点は通常の口座と同じです。
8. 運用期間
運用実績を比較するときは、1年、3年、5年などで期間をそろえます。設定から日が浅い商品は確認できる実績が限られるため、短い期間の数字だけを将来へ当てはめないことが大切です。
よくある質問
基準価額は何時に更新されますか?
一般的には、その日の市場終了後に運用会社が資産を評価し、当日夜から翌営業日にかけて公表されます。
ただし、公表時刻は運用会社や販売会社によって異なります。海外資産へ投資する商品では、時差の影響により翌営業日の基準価額が適用されることもあります。
基準価額が1万円を下回ったら元本割れですか?
必ずしもそうとは限りません。運用開始時の基準価額が1万円の商品でも、その後に分配金を支払っていれば、基準価額だけでは投資家の損益を判断できません。また、実際の購入価額は投資家ごとに異なります。
自分の損益は、購入時の基準価額、現在の基準価額、受け取った分配金、手数料などを合わせて確認します。
基準価額が下がったら買い時ですか?
基準価額が下がったという事実だけでは、買い時とは判断できません。投資対象が一時的に下落しているのか、長期的な環境が悪化しているのか、商品固有の問題があるのかを確認する必要があります。
基準価額が高い投資信託は買わない方がいいですか?
高いという理由だけで避ける必要はありません。長期の運用成果や分配方針によって基準価額は異なります。投資対象、リスク、費用、同じ期間の運用実績などを合わせて比較します。
申込時に表示されている基準価額で買えますか?
一般的な投資信託では、申込時点で適用価額がまだ確定していない場合が多く、画面の表示価額で約定するとは限りません。適用日や申込締切時刻は商品・販売会社で異なるため、注文前に確認しましょう。
NISAで買う投資信託も基準価額の仕組みは同じですか?
はい。NISAは税制上の口座・制度であり、投資信託そのものの基準価額の計算方法が変わるわけではありません。NISA対象の投資信託でも、純資産総額と総口数をもとに基準価額が算出され、組み入れ資産の値動き、為替、分配金、費用などの影響を受けます。
「NISAだから基準価額が下がりにくい」「1万円を下回らない」といった仕組みではありません。NISAを利用する場合も、投資対象・費用・リスク・分配方針を確認することが大切です。
基準価額と純資産総額は何が違いますか?
基準価額は1口当たり、または1万口当たりの純資産価値です。純資産総額は、投資信託全体の資産から負債を差し引いた金額です。
基準価額:投資家の持分単位で見た価値
純資産総額:ファンド全体の規模
分配金を受け取ると得をしますか?
分配金は信託財産から支払われるため、支払い後は基準価額が下がります。そのため、分配金を受け取ったという事実だけで、資産が増えたとは判断できません。基準価額の変化と受取分配金を合わせて確認する必要があります。
基準価額とETFの市場価格は同じですか?
同じではありません。ETFにも保有資産から計算される基準価額がありますが、投資家が取引所で売買する価格は市場価格です。市場価格は売り手と買い手の需給で動くため、基準価額とずれる場合があります。
JPXも、ETFでは市場価格と基準価額に乖離が生じる可能性を説明しています。JPX「乖離をチェックする」で詳しく確認できます。
まとめ
投資信託・ETFを基礎から順番に学びたい方は、投資信託・ETF完全ガイドも関連情報として確認できます。
投資信託の仕組みを本でも体系的に学びたい方は、ETF・投資信託を学ぶためのおすすめ本ガイドも参考にしてください。
基準価額は、投資信託の純資産総額を総口数で割って計算する、1口当たりの純資産価値です。国内の一般的な投資信託では、1万口当たりで表示されることが多くあります。
基準価額は、組み入れた株式や債券の価格、金利、為替、分配金、信託報酬などの費用によって、原則毎営業日変動します。
ただし、基準価額が低いから割安、高いから割高とは判断できません。
投資信託を比較するときは、基準価額の絶対額ではなく、投資対象、運用方針、費用、分配方針、同一期間の騰落率、純資産総額などを確認することが大切です。
基準価額は「その投資信託の現在位置」を確認する重要な数字です。しかし、投資信託の良し悪しを一つの数字だけで決めるものではありません。何に投資する商品なのかを理解したうえで、複数の情報を組み合わせて判断しましょう。
投資信託以外の基本も順番に学びたい方は、投資初心者ガイドも参考にしてください。
この記事の作成・確認方針
執筆・編集:Market AI編集部
金融庁、日本取引所グループ、資産運用業協会などの一次情報を優先し、制度・商品の仕組み、費用、取引方法、税制、リスクを分けて確認しています。AIは情報整理の補助に利用する場合がありますが、出典を確認できない制度情報や数値を根拠として扱いません。
記事内の比較は特定商品の購入を促すためではなく、読者が目論見書や公式情報と照合しながら自分で判断できるよう、確認項目を整理することを目的としています。