投資信託の商品ページを見ると、「騰落率」という数字が表示されていることがあります。プラスなら値上がり、マイナスなら値下がりというイメージは持ちやすいものの、どの期間を見ればよいのか、トータルリターンとは何が違うのかまで理解している方は多くありません。
この記事では、投資信託の騰落率の意味、計算方法、期間ごとの見方、比較するときの注意点を初心者向けに整理します。
投資信託の騰落率とは?
騰落率とは、ある期間の始点と終点を比べて、投資信託の基準価額が何%上昇・下落したかを示す指標です。
たとえば、基準価額が10,000円から11,000円になった場合、騰落率はおおむね+10%です。反対に、10,000円から9,000円になれば約-10%となります。
基準価額そのものについては、投資信託の基準価額とは?で詳しく解説しています。
騰落率の計算方法
基本的な考え方は次のとおりです。
騰落率(%)=(期間終了時の基準価額-期間開始時の基準価額)÷期間開始時の基準価額×100
たとえば、期間開始時が10,000円、終了時が10,500円なら、騰落率は+5%です。
ただし、実際の商品ページでは分配金をどのように扱うかなど、表示方法が運用会社や情報サイトによって異なる場合があります。比較するときは、同じ条件で表示された数字かを確認することが大切です。
騰落率はどの期間を見ればいい?
騰落率には、1か月、3か月、6か月、1年、3年など複数の期間が表示されることがあります。
短期の騰落率
1か月や3か月などの短期騰落率は、直近の相場環境の影響を強く受けます。最近上昇しているか、下落しているかを確認する参考にはなりますが、その数字だけで長期的な優劣を判断するのは避けたいところです。
1年程度の騰落率
1年騰落率は、短期よりも広い期間で値動きを確認できます。ただし、その1年間が株式市場全体の上昇局面だったのか、下落局面だったのかによって結果は大きく変わります。
3年・5年など長期の騰落率
長期投資を考える場合は、複数年の推移を確認すると、短期の好不調だけに左右されにくくなります。ただし、過去の騰落率が将来も続くとは限りません。
騰落率とトータルリターンの違い
騰落率とトータルリターンは似ていますが、確認する目的が少し異なります。
騰落率は、主に一定期間の基準価額の変化を確認するための指標です。一方、トータルリターンは、値上がり・値下がりだけでなく、分配金なども含めた投資成果全体を見る考え方です。
分配金については、投資信託の分配金とは?もあわせて確認すると理解しやすくなります。
騰落率が高い投資信託ほど良い?
騰落率が高いからといって、その投資信託が必ず優れているわけではありません。
特定のテーマや地域に集中するファンドは、大きく上昇することがある一方で、下落時の値動きも大きくなる場合があります。騰落率を見るときは、リスクの大きさや投資対象、運用方針も一緒に確認することが重要です。
騰落率を比較するときの5つのポイント
1. 同じ期間で比較する
1年騰落率と3年騰落率を直接比べても意味が異なります。比較する場合は同じ期間にそろえます。
2. 同じような資産クラスで比較する
国内債券ファンドと米国株式ファンドでは、期待される値動きやリスクが異なります。できるだけ似た投資対象同士で比較します。
3. 分配金の扱いを確認する
分配金を出すファンドでは、基準価額だけを見ると値下がりしているように見えることがあります。騰落率の計算条件を確認しましょう。
4. コストも確認する
運用成果だけでなく、保有中にかかるコストも長期投資では重要です。投資信託の信託報酬とは?も確認しておきましょう。
5. 直近の数字だけで選ばない
直近1年間の騰落率が高い商品でも、その上昇が一時的な可能性があります。複数期間を確認し、投資対象や運用方針まで含めて判断することが大切です。
NISAで投資信託を選ぶときも騰落率を見るべき?
NISAで投資信託を選ぶ場合でも、騰落率は参考情報の一つになります。ただし、NISAは税制上の制度であり、高い騰落率の商品を選べばよいという意味ではありません。
投資目的、投資期間、リスク許容度、コストなどを確認したうえで商品を選ぶことが重要です。NISAの基本は、NISAとは?初心者向けに仕組み・投資枠・メリット・注意点を解説でまとめています。
初心者が騰落率を見るときの注意点
初心者が特に注意したいのは、「騰落率が高い=今後も上がる」と考えないことです。
過去の値動きは、将来の収益を保証するものではありません。騰落率は、あくまで過去の一定期間にどの程度動いたかを確認する数字として使いましょう。
また、投資信託とETFの違いを整理したい場合は、ETFと投資信託の違いとは?も参考になります。
基準価額・信託報酬・分配金・純資産総額・ベンチマークまで順番に学びたい方は、投資信託・ETF完全ガイドで確認できます。
まとめ
投資信託の騰落率は、一定期間の基準価額がどの程度上昇・下落したかを見るための指標です。
短期の数字だけで判断せず、同じ期間・同じような投資対象で比較し、分配金、信託報酬、リスク、運用方針などもあわせて確認することが大切です。
騰落率は商品選びの答えそのものではなく、投資信託を理解するための一つの材料として活用しましょう。
投資に関する注意事項:本記事は投資に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の商品や投資行動を推奨するものではありません。投資には元本割れを含むリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の目的やリスク許容度を踏まえて行ってください。
この記事の作成・確認方針
執筆・編集:Market AI編集部
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