毎月分配金がある商品を選ぶと、どうしても「毎月いくら受け取れるか」に目が向きます。私もその一人です。実際に楽天JEPQと563Aの両方を保有していますが、同じようにカバードコール戦略を活用する商品でも、仕組みや保有結果は同じではありません。
今回は、2026年10月17日19時55分更新の楽天証券「保有商品一覧」に記載された私自身の評価額・損益を出発点に、公式の目論見書・運用会社の資料で仕組みと費用を確認します。これは「どちらを買うべきか」のランキングではなく、実際の保有と判断を分けて記録する比較です。
実際の保有状況:楽天JEPQは評価益、563Aは評価損
2026年10月17日の保有商品一覧に記載された2商品を、金額を丸めずに掲載します。
スマホでは項目ごとに楽天JEPQと563Aを縦に並べて比較できます。PCでは従来の比較表で確認できます。
| 項目 | 楽天JEPQ | 563A |
|---|---|---|
| 商品の種類 | 国内公募投資信託 | 東京証券取引所上場ETF |
| 口座区分 | 特定口座 | 特定口座 |
| 保有数量 | 7,396,037口 | 827口 |
| 評価額 | 8,633,394円 | 857,599円 |
| 評価損益 | +694,429円 | -34,967円 |
| 評価損益率 | +8.74% | -3.91% |
この数字は、保有している口数のその時点の時価と平均取得価額との差です。楽天JEPQはプラス約69万円、563Aはマイナス約3.5万円ですが、これだけで楽天JEPQが563Aより優秀とは判断できません。
買い始めた時期も、追加購入のタイミングも、保有期間も異なります。さらに、表の評価損益にはこれまでの分配金の受取・再投資を同じ条件で集計したトータルリターンは反映されていません。日付をそろえて運用成績を比較するには、購入日ごとの入金額、分配金履歴、税金、残高推移が必要です。
楽天JEPQと563Aは「似ているが同じ商品」ではない
運用会社の公式情報による違いを整理します。
スマホでは項目ごとに楽天JEPQと563Aを縦に並べて比較できます。PCでは従来の比較表で確認できます。
楽天JEPQの費用は、楽天投信投資顧問の2026年3月13日使用開始の交付目論見書に記載されたものです。投信本体の信託報酬年0.308%(税込)に、投資対象ファンドの報酬年0.35%程度を加えた実質的な運用管理費用です。563Aの費用は、グローバルXの公式商品資料にあるETF本体0.0275%と投資対象ファンド0.25%程度を合わせた実質的な水準です。
注意: どちらの数字も売買手数料・売買に伴うコスト・その他の変動費用をすべて含んだ実費合計ではありません。費用率が低いという理由だけで、値動きや将来の手取り分配額まで有利だとは言えません。
公式資料:楽天JEPQの交付目論見書/楽天JEPQ商品ページ/563A商品ページ
563Aの「デイリー・カバードコール」で注意したいこと
563Aは、東証で円建て取引ができますが、日本株を対象にした商品ではありません。投資対象は韓国籍の「TIGER US NASDAQ100 Target Daily Covered Call」を通じた米国NASDAQ100指数関連の株式とオプション戦略です。
公式資料によれば、原則として日次でNASDAQ100指数を原資産とするコール・オプションを売却します。オプション・プレミアムなどの収益を狙う一方、株式市場が大きく上昇する場合に、通常のNASDAQ100連動投資と同じ値上がり益をすべて得られるわけではありません。大きな下落に対して元本が守られる仕組みでもありません。
また、563Aの公式サイトでは分配金は「100口当たり・税引前」で表示されています。例えば公式記録にある2026年9月10日の1,000円は、100口当たり1,000円、1口当たり10円(税引前)という意味です。2026年10月17日時点の私の827口を、過去の分配金単価に単純に掛けても、購入時期が分からなければ実際の受取額は確定しません。
なお、563Aの対象指数名にある「Target Premium 15%」は、毎年15%の分配や利益を保証する意味ではありません。分配額は毎回の決算で変わり、支払われない場合もあります。
楽天JEPQは再投資中。分配金=生活費の現金ではない
私は米国上場のJEPQを購入した経験があり、その後、管理しやすさも考えて国内公募投資信託の楽天JEPQに切り替えました。現在の楽天JEPQは再投資コースで保有しています。
再投資された分配金は、受取履歴に表示されても、そのまま生活費に使える現金が毎月振り込まれているわけではありません。分配時の税金や再投資後の基準価額の変化も考慮しなければなりません。
一方、563Aは東証上場ETFで、決算と分配の扱い、課税の経路が国内公募投信と異なります。ETF分配を投資信託の「元本払戻金(特別分配金)」と同じ税務分類で扱いません。563Aについて、私の保有分が過去に実際にいくら受け取ったかの税引後履歴は、今回の保有商品一覧だけでは確認できません。
過去の受取済み・再投資の区別は③ 2026年の配当・分配金実績にまとめています。
私が「毎月の分配利回り」だけで比較しない理由
現時点の評価益・評価損だけで両商品を判断しないのと同じく、一度の分配金を12倍しただけの利回りで長期の受取額を予測するのも危険です。
私が今後、同じ条件で確認していきたいのは次の項目です。
- 実際の受取・再投資: その月の税引後受取額、再投資額、分配金の対象口数
- 運用成績: 同期間の評価額の変化と、外部からの追加購入・売却を調整した結果
- 費用: 公式の実質的な運用管理費用と、その他の取引コスト
- リスク: 米国の成長株への偏り、為替変動、カバードコールによる上昇余地への影響
- 減配時の行動: 分配が減っても保有を続けられるか、どこで判断を見直すか
楽天JEPQと563Aの両方が米国のテクノロジー・成長株周辺の値動きの影響を受けるため、2商品に分けているから十分に分散できているとも限りません。④ 配当と総資産の関係で書いたとおり、分配金が増えても資産が増えているとは限らないことを意識しています。
今の私にとっては、優劣よりも「続けられるか」
2026年10月17日時点の私の口座では、楽天JEPQは評価益、563Aは評価損です。私は563Aを少しずつ追加購入してきた時期もありますが、今後の値上がりや分配金が保証されているわけではありません。どちらも価格変動・為替変動・減配の可能性がある投資です。
私の最終目標は、税引後の配当・分配金で月平均50万円を目指すことです。ただし、目先の分配金だけを追って資産価値が大きく損なわれることは避けたいと思っています。両商品は今後も、実際の分配金履歴、再投資、保有資産の変化を分けて検証するつもりです。
インデックス積立から毎月分配型に関心が移った経緯は⑥ 投資方針の変化に、保有資産全体の集中リスクは② 総資産と保有資産の実例に記録しています。
使用データ・注意事項: 保有数量・評価額・評価損益は、楽天証券「保有商品一覧(すべて)」の2026年10月17日19:55更新分に基づきます。原本の氏名・口座識別情報は掲載していません。運用商品の戦略・費用・分配条件は各社公式資料に基づき、将来の変更があり得ます。保有期間や追加投資、実際の税引後分配履歴がそろっていないため、トータルリターンや優劣の結論は出していません。投資には元本割れ、減配、為替、税制変更等のリスクがあり、特定商品の購入を推奨するものではありません。AIは資料照合と原稿整理を補助しました。
この記事の作成・確認方針
執筆・編集:Market AI編集部
金融庁、日本取引所グループ、資産運用業協会などの一次情報を優先し、制度・商品の仕組み、費用、取引方法、税制、リスクを分けて確認しています。AIは情報整理の補助に利用する場合がありますが、出典を確認できない制度情報や数値を根拠として扱いません。
記事内の比較は特定商品の購入を促すためではなく、読者が目論見書や公式情報と照合しながら自分で判断できるよう、確認項目を整理することを目的としています。